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活動レポート Report

2011/03/10

ひとり親家庭子育てシンポジウム 第1部

平成23年2月19日(土)、和歌山ビッグ愛"りぃぶる"会議室においてシンポジウムを開催しました。参加者は21名。講演やゲストの体験談、参加者のディスカッションなど盛りだくさんな内容でした。

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 講師に神戸学院大学教授の神原文子先生を迎え、「ひとり親家庭で育つ子どもたち」と題して講演をしていただきました。シングルマザーになった理由の年次変化、平均所得金額の推移など、ひとり親家族の実態について様々なデータの提示がありました。神原先生のお話の一部を以下にまとめてみます。

              ※           ※

 母子家庭の母親の就業状況は常用雇用よりも臨時やパートなどが多く、平均年収は常用雇用257万、臨時・パートで113万(共に2006年)となっています。この15年ほどの間に常用雇用率は下がり、生活不安の増大も見られます。母子世帯の貧困率は約6割近くで、女性が世帯主になれば貧困が必然化しているという状況。そんな中で、ひとり親家庭の親は多くの問題を抱えています。

 例えば子どもが病気の時にどうするか。アンケートでは「仕事中は子どもが一人でいること
をがまんしてもらう」と答えた親が母子家庭で38%、父子家庭で28%もあるのです。アメリカやヨーロッパなどの国々では9歳未満の子どもを、子どもだけで家におくのはネグレクト(虐待)にあたるのに、日本では問題視されていない。こういうところから地域の中で対応できないか。近所の人が様子を見に行く、留守を預かるなど気軽にできるネットワークづくりに期待をしたいところです。

 子どもたちの進路選択についても、興味深いデータがあります。ひとり親家庭は生活が困難で、世帯収入が300万未満の場合は積極的に大学に行かせたいという希望は少ない。子どもも状況がわかっているから「大学に行かせてほしい」と言えないんです。母子家庭の子どもの大学進学率は非常に低い。そのため高校卒業後も正規雇用につきにくく、貧困が再生産されていく傾向が顕著です。

 問題は経済面だけではありません。母子家庭で約4割、父子家庭で2割弱の方が差別や偏見を体験しています。就職の時や住宅を借りる時、子ども同士のいじめ、職場でのパワハラ、再婚話の時など......。ひとり親家庭への差別や偏見が、人権問題として取り上げられていないことが大きな問題ではないでしょうか。

 今後の課題としては、まずは経済的な支援です。ひとり親家庭で育つ高校生への調査によると、母子世帯の子の4割以上がおこづかいをもらっておらず、そのうち8割がアルバイトをしているため学習時間が少ない。勉強やクラブ活動に打ち込めて、将来に夢を持つことができるような支援が必要です。

 そして、子どもたちを地域の中で温かく見守り、いざとなったら手を差しのべることができる準備態勢が求められます。遅れている社会保障制度の確立も急務です。子どもたちに聞いてみると、彼らなりに親の離婚を受け入れており、離婚してよかったという声も少なくありませんでした。実際、家庭を温かいと感じる割合は、母子家庭とふたり親家庭に違いはありません。両親がいることが大事なのではなく、支援さえあれば彼らは自立の力を培って社会に出ていくことができるのです。

 市民活動として取り組むべきは当事者の孤立を防ぐこと、安心できる受け皿になっていくことです。そのための支援や相談の拠点として「子ども人権センター」のような機関をつくり、社会全体の子育て支援をすすめる。私たち大人世代が、子どもたちの育ちを支えていかねばなりません。地域のおせっかいおばさん、おせっかいおじさんたちが、子どもの育ちを親と一緒に見守るような体制づくりをすすめていくことが大切なのです。

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